©汰中沙由香
N響メンバーによるゲートウェイ・ゾリステン
~Gateway Solisten by Member of NHK Symphony orchestra,Tokyo~
N響メンバー6人が、その本拠地・高輪「ゲートウェイ」を冠に、奏者一人一人が日本を代表するトップ奏者である証の「ゾリステン」を称した文字通りスペシャルユニット。高い技術力を持つものだけが許される、自由度の高い音楽に注目が集まっている。
フルート:梶川 真歩、オーボエ:𠮷村結実(主席奏者)、ヴァイオリン:森田 昌弘(次席奏者)、ヴィオラ:御法川 雄矢、チェロ:宮坂 拡志、コントラバス:本間 達朗
まずは、なぜ今、このタイミングでこのメンバーで立ち上がったのでしょうか?
ヴィオラ御法川さん
いや、伏線はあったんです。2019年11月下野市グリムの森で行われた「N響メンバーによるフルートとオーボエと弦楽の調べ」というコンサートです。
そしてコロナ禍である今、再び一緒に何か出来ないかなということで、立ち上がったわけです。
コロナ禍で、オーケストラとしての活動制限があって、大きく変わったことはないですか??
オーボエ𠮷村さん
演奏者間の距離を置かなければならないとか…
コントラバス本間さん
メンタル的なところとか…??
チェロ宮坂さん
早く収束してほしいですよね。
フルート梶川さん
一番大きいのはお客さんの数が少なくなってしまったことです。定期的に足を運んでくれていたお客様も不安で今は…となりますし、本来なら新しいお客様もどんどん聴いてもらいたいと開拓しなければならないのに、それも難しいので…厳しいですよね。
では、そんな中で「このメンバーでやってみたい!」ということはありますか?
御法川さん
やはり、名前の由来の「高輪ゲートウェイ駅」の駅前開発と一緒に成長し、最終的には完成記念イベントで演奏するということですかね。完成自体まだいつになるか分かりませんが。せっかく練習場が近いわけですし(笑)
本間さん
不動産開発的な展開(笑)
なるほど。この6人である理由は?
御法川さん
いや、そこは6重奏でなくても良いんです。ゲートウェイ・ ゾリステンというのはメンバーはフレキシブルです。5人でも10人でも、演奏する曲に合わせてメンバーは変わっていきます。お客様が楽しんでくれる形で、曲に合わせて編成は変わるべきですし。
そして、東京と地方の状況にも大きく違いがあります。少ない人数のアンサンブルのほうが受け入れやすいというホールもありますのでね。コロナでも音楽を楽しめる、という状況を作るためにも、レベルの高い音楽をN響メンバーのフレキシブルな編成でお届けする必要があると感じています。
なるほど!時代にフィットした編成ですね。
では、このメンバーだったらこれやりたい!というのがあればお1人ずつお願いします。
ヴァイオリン森田さん
この6人で出来る曲を探すのは難しいので、アレンジですよね…以前も御法川さんのアレンジでやっていますが…。
あれ?今回は歌はどうなの?あり?以前、山下達郎さんの「クリスマスイブ」をやって、僕歌ったんですよ。そういう例もありますしね(笑)
御法川さん
もちろんありです。今回もやりますよ。
宮坂さん
僕はもう、御法川さんと一緒に音楽作っていければと思っています。
御法川さん
ひとつコンセプトとして大切なのは、正統派クラシックと身近なポピュラーな曲を織り交ぜてお届けしたいというとこですね。
12月のコンサートも、クラシックの中に季節感のあるクリスマスの曲も織り交ぜていくということです。
梶川さん
個人的には弦楽器とやってみたい曲は沢山ありますが、以前演奏した「くるみ割り人形」の編曲みたいな、季節物や聴きやすい曲等クラッシックの堅苦しいイメージを払拭できるようなものはどんどん挑戦したいですね。N響メンバーだから出来る質の高い音楽で、新しいお客様を肩肘張らず純粋に音楽を楽しむ世界に引き込んでいけたら良いなと思っています。難しく考えずに、音楽を根本的に楽しんでほしいです。
𠮷村さん
本当にそうですよね。N響ではクラシック正統派のコンサートがほとんどですから、このメンバーでそういった新しい試みが出来れば新しい風を起こせるのでは?と思います。
本間さん
クラシック好きなお客さんだけでなく、ポピュラーで馴染みのある曲を編曲して、それを高いクオリティの生音でお届けすることで、最終的には「じゃ次はN響聴きに行ってみよう」となれば最高ですよね。
御法川さん
そして、デビューコンサートが紀尾井ホールという素晴らしいホールで出来るのも、とても名誉なことだと思っています。
ところで…こういった形で、オーケストラの中で有志で「一緒に何かやらない?」という活動は、よくあることですか?
一同
いやぁ…あんまりないかなぁ(笑)
新しい時代の、新しい活動形態であるこのユニット、とっても期待しています♬
©汰中沙由香
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